夫婦喧嘩は子どもの心にどう影響する?心配な親が知っておくべきこと
夫婦喧嘩は子どもの心にどう影響する?心配な親が知っておくべきこと

「また喧嘩しちゃった…」
夫婦なら、意見がぶつかって喧嘩をしてしまうことだってありますよね。でも、子どもの前で喧嘩をしてしまった後、「あの時の子どもの表情が忘れられない」「もしかして、心に傷を負わせてしまったかも…」と、不安に思うことはありませんか?
この記事では、夫婦喧嘩が子どもに与える影響について、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。子どもの年齢に合わせた影響の違いや、喧嘩をしてしまった後のフォロー方法、そして、喧嘩を減らすための夫婦間のコミュニケーションのコツまで、専門家の知見を踏まえてお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

夫婦喧嘩は子どもの心にどんな影響を与える?

 

まず知っておいていただきたいのは、夫婦喧嘩は子どもの年齢や発達段階によって、異なる影響を与えるということです。

 

乳幼児期(0~2歳頃)

 

まだ言葉で理解することが難しい乳幼児期の子どもは、夫婦喧嘩の際に大きな声や怒鳴り声を聞くと、強い不安や恐怖を感じます。パパとママがいつもと違う様子だと、「自分が何か悪いことをしたのかな?」と、自分を責めてしまう子もいるかもしれません。

 

この時期の子どもは、まだ自分の感情をうまくコントロールすることができません。そのため、夫婦喧嘩を目撃することで、夜泣きや食欲不振、情緒不安定など、身体的・精神的な影響が現れることがあります。

 

幼児期(3~6歳頃)

 

言葉でコミュニケーションが取れるようになる幼児期の子どもは、夫婦喧嘩の内容をある程度理解できるようになります。そのため、「パパとママが別れてしまうかもしれない」という不安や恐怖を抱きやすくなります。

 

また、この時期の子どもは、良い子でいなければ親から愛されないという思い込みを持つことがあります。そのため、夫婦喧嘩をきっかけに、親の顔色を伺うようになったり、自分の気持ちを抑え込んでしまうようになったりする可能性があります。

 

学童期(7~12歳頃)

 

学童期になると、子どもは夫婦喧嘩の原因を自分なりに分析しようとします。そして、「自分がもっと良い子だったら…」とか、「弟がいなければ…」などと、自分を責めてしまうことがあります。

 

また、学校で友達とトラブルを起こしたり、反抗的な態度をとったりするなど、問題行動として現れることもあります。これは、家庭で安心感を得られない子どもが、外でSOSを発しているサインかもしれません。

 

思春期(13~18歳頃)

 

自我が芽生え、親から自立しようと考える思春期の子どもは、夫婦喧嘩に対して冷めた態度をとるようになることがあります。しかし、内心では深く傷ついていることも少なくありません。

 

また、反抗期と重なる時期でもあるため、親に対して反発したり、家庭を避けるようになったりする可能性もあります。中には、非行に走ったり、自傷行為に及んだりするケースも見られます。

 

夫婦喧嘩が子どもの脳に与える影響

 

近年の研究では、夫婦喧嘩が子どもの脳の発達にも悪影響を与えることが明らかになってきています。

 

例えば、幼少期に夫婦喧嘩を頻繁に目撃した子どもは、脳の特定の部位(扁桃体や海馬など)が萎縮しやすくなるという研究結果があります。これらの部位は、感情の調節や記憶、学習などに深く関わっているため、萎縮することで、不安や恐怖を感じやすくなったり、集中力や記憶力が低下したりする可能性があります。

 

また、夫婦喧嘩によるストレスは、子どもの脳内でコルチゾールというストレスホルモンを過剰に分泌させます。コルチゾールの分泌が慢性化すると、免疫力の低下や成長ホルモンの分泌抑制など、様々な悪影響を及ぼすことが知られています。

 

喧嘩をしてしまった後のフォロー方法

 

「つい子どもの前で喧嘩をしてしまった…」

 

そんな時は、以下のポイントを参考に、子どもへのフォローを心がけましょう。

 

1. 喧嘩の原因を子どもに説明する

 

子どもは、夫婦喧嘩の原因が自分にあるのではないかと不安に感じています。「パパとママが喧嘩したのは、あなたのせいじゃないよ」と、きちんと伝えて安心させてあげましょう。
その上で、喧嘩の原因を子どもにも理解できる言葉で説明してあげましょう。ただし、相手を責めるような言い方は避け、「パパとママは、〇〇について意見が合わなかったんだ」というように、冷静に説明することが大切です。

 

2. 仲直りした姿を見せる

 

喧嘩の後、仲直りした姿を見せることも大切です。「パパとママは、喧嘩しても仲直りできるんだよ」ということを、子どもに示してあげましょう。
その際、「ごめんね」「ありがとう」など、感謝の気持ちを伝える言葉も忘れずに伝えましょう。子どもは、親の言葉や態度から、人間関係の築き方や問題解決の方法を学んでいきます。

 

3. 子どもの気持ちを聞く

 

「喧嘩を見てどう思った?」「何か不安なことはない?」など、子どもの気持ちを聞く時間を持ちましょう。子どもが自分の気持ちを言葉で表現できるよう、優しく寄り添ってあげることが大切です。
もし子どもが話したがらない場合は、無理強いせずに、「いつでも話を聞くからね」と伝えて、安心感を与えてあげましょう。

 

夫婦喧嘩を減らすためのコミュニケーションのコツ

 

夫婦喧嘩を減らすためには、日頃から良好なコミュニケーションを心がけることが大切です。以下のポイントを参考に、夫婦間のコミュニケーションを見直してみましょう。

 

1. 相手の話をよく聞く

 

コミュニケーションの基本は、相手の話をよく聞くことです。自分の意見を伝えることばかりに意識が向いていませんか?まずは、相手の話を最後まで遮らずに聞き、共感する姿勢を示すことが大切です。
「アクティブリスニング」というコミュニケーション技法があります。これは、相手の言葉だけでなく、表情や仕草など、非言語的な情報にも注意を払いながら、積極的に耳を傾けるというものです。夫婦間で実践することで、より深い相互理解につながります。

 

2. 自分の気持ちを伝える

 

自分の気持ちを伝えることも、良好なコミュニケーションには欠かせません。ただし、感情的に怒鳴ったり、相手を責めるような言い方をしたりするのは避けましょう。
「私は〇〇と感じている」「〇〇してほしい」など、具体的な言葉で伝えるように心がけましょう。「Iメッセージ」と呼ばれるこの伝え方は、相手を攻撃せずに、自分の気持ちを率直に伝えることができる効果的な方法です。

 

3. 妥協点を見つける

 

意見が対立した時は、どちらか一方が我慢するのではなく、お互いにとって納得できる妥協点を見つけることが大切です。そのためには、双方の意見を尊重し、歩み寄る姿勢が重要になります。
「ウィンウィン交渉」という交渉術があります。これは、お互いが利益を得られるような解決策を見つけるというものです。夫婦間でこの考え方を意識することで、より建設的な話し合いができるようになります。

 

4. 感謝の気持ちを伝える

 

日頃から感謝の気持ちを伝えることも、夫婦関係を良好に保つ秘訣です。「ありがとう」「いつもお疲れ様」など、些細なことでも言葉にして伝えましょう。
感謝の気持ちを伝えることで、相手への愛情や尊敬の念を再確認することができます。また、相手も「自分のことを大切に思ってくれている」と感じ、より一層、あなたとの絆を深めることができます。

 

まとめ

 

夫婦喧嘩は、子どもの心や脳に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、喧嘩をしてしまった後でも、適切なフォローをすることで、子どもへの影響を最小限に抑えることができます。

 

日頃から良好なコミュニケーションを心がけ、夫婦喧嘩を減らす努力をすることも大切です。親が笑顔でいることが、子どもにとって一番の安心感につながります。

 

この記事が、少しでも子育て中の夫婦の悩みの解決に役立てれば幸いです。